ストロボフラッシュ警告灯

◆生命に関わる高電圧が発生します制作には充分ご注意ください。◆
ストロボフラッシュ警告灯とは某大手電機メーカーで売られていた数秒間隔で発光する警告灯?です。
現在も売られているかは不明です。また、用途は看板や商品を目立たせる為にも使えます(此が本来の用途かも)。

この工作室での制作例は使い捨てカメラ(現在はそうは言いませんが)のキセノンフラッシュランプとトリガートランスをリサイクルしています。

回路の説明
  回路図は下記になります。

電源はAC100Vです、C2・D1・D2・C3・C4・C5からなる半波2倍圧整流回路で約270Vを得ると共にC3・C4・C5に蓄えられます。これらの電圧でR2を通してC6が充電されC6の両端電圧がS1サイダックのブレークオーバー電圧に達するとS1サイダックはONしC6の放電電流がT1に一気に流れますC6の電圧が下がり通電電流が保持電流以下になるとS1サイダックはOFFします、この一連の動作中T1の2次側に数千ボルトの高電圧が発生し此がトリガーとなりC3〜C5に蓄えられた電荷がキセノンフラッシュバルブで一気に放電(発光)する、放電によりC3〜C5の電圧が下がると放電は止まりまたC3〜C5が充電される。この一連の繰り返しで連続放電(発光)する。

部品の選定
F1は回路の故障等による異常な高電流で溶断し火災を防ぎます、基板に直に半田付けするマイクロヒューズで定格は125V630mAです。C1はノイズを抑えます、常時給電する回路は短絡による火災を防ぐため安全規格認定品を使用した方が良いでしょう。R1はC2の急激な充電を抑えD1・D2の破壊を防ぎます

この半波2倍圧整流回路は小電流負荷で高い電圧が必要な場合に使用されます。 出力リップルは電源周波数の2倍になります。 ダイオードの逆耐電圧は、入力交流電圧の3倍以上必要です。

R2とC6で発光間隔が決まります、この定数で約1秒間隔です。

C3〜C5は単にちょうど良い容量の部品が無かったためです、電解コンデンサも使えますがストロボ用に作られた急激な充放電に耐えられる物が必要です。ここでは耐圧400Vのフィルムコンデンサを使います、容量を大きくすれば発光出力が上がりますが大きくしすぎると充電に時間が掛かりすぎます。

S1サイダックは新電元製のK1V5を使いますブレークオーバー電圧約50Vです、本来はもっと電圧の高い物を使いたいところですがあいにく手持ちが此だったと言うだけです。ブレークオーバー電圧が低いためこのままではトリガー電圧が低くキセノンフラッシュランプが放電出来ない問題が生じます、そこで、T1を後記の方法で改造します。

T1は使い切りカメラのリサイクル品です、ここでの製作例では改造を必要とします。

V1キセノンフラッシュランプはT1と同じカメラ内のリサイクル品です。

部品表
シンボル 品名 型名・仕様 当店単価 (円) 数量
V1 キセノンフラッシュバルブ リサイクル品 1
T1 トリガートランス    〃 1
S1 サイダック K1V5 50 1
D1 ダイオード D1N60 20 2
F1 マイクロヒューズ CCP−063 30 1
C1 セラミックコンデンサ 2200pFAC250V 35 1
C2 電解コンデンサ 3.3uF250V 30 1
C3〜C6 フィルムコンデンサ 1uF400V 80 4
R1 カーボン被膜抵抗 220Ω2W 20 1
R2      〃 4,7MΩ1/4W 10 1
ユニバーサル基板 ICB−288 1
その他 スズメッキ線、リード線等

製作方法
最初に注意して頂きたいことは ◆生命に関わる高電圧が発生します制作には充分ご注意ください。◆ これです。

カメラを分解しての部品の取り出しですが、コンデンサに高電圧が充電されている事があります、ご注意ください。

分解したカメラの基板です。
部品面です。
T1、トリガートランス
分解した使い切りカメラから取り外したトリガートランスです、カメラはかなり古い物で最近の物はどの様な形状か知りません。
丁寧にテープを剥がし保存しておきます。
何種類かのカメラをばらしました、メーカーにより形状は違いますが、全て一次側は外側に巻いてありました。巻数もだいたい同じようです。
このトランスは14回巻いてあります、巻き終わりの線を半田コテで注意しながら外します。
このトランスの場合一次側巻き終わりと二次側とが共通でした。
一度巻き戻して3回巻きます、この時、巻方向を確認しておき同じ方向に巻きます。外した元のピンに半田付けします。
エナメル線の塗膜は半田コテに半田を乗せその半田をエナメル線の半田付けしたい部分に当てておき熱で焼き取ります結構時間が掛かりますが趣味の世界ですからのんびりと。
元のカメラの電圧は約300Vです、この製作例では約270Vで駆動されトリガー電圧を作ります。
使用したダイアックのブレークオーバー電圧が約50Vですので単純に巻数を約六分の一にしました。
取っておいたテープを巻いてできあがり。
基板のサイズは73×47です。
電圧が高いので、各部品ピンの配線間隔を開けます。
私は癖で部品の足を曲げて配線パターンの一部としますが此は良くありません。なぜかというと配線ミスや部品の取り外しのとき大変面倒になるからです。たいがいパターンが取れてしまいます。部品を取り付けるときは落ちない程度に曲げて置く様にしましょう。
配線が出来たら一呼吸置き良く見直します。此は大変重要な作業です。
一度通電した時に基板をさわるときは各コンデンサの電圧を測り高いときは絶対に素手でさわらないようにしてください。大変なことになりますよ。時間がたてば電圧は下がりますが待てないときは100KΩ1Wくらいの抵抗でコンデンサの両端をショートします、その後また電圧を測り確認してください。

発光間隔を早くしたいときはR2の抵抗値を小さく、遅くしたいときは大きくしてください。
発光パワーを大きくしたいときはC3〜C5を大きくします。ただし、キセノンフラッシュバルブの能力によりあまり大きくできません。
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